A little touch to everyday essentials


シンプルなものの掛け合わせ

2021年9月17日

コーヒーの香りがしてリビングに移動すると、
向かいの窓から射しこむ光が、ふと気持ちよく感じられることがある。
雨を降らせていた雲が途切れて、ほのかに太陽がのぞく。
床や壁に落ちた光の輪郭が曖昧になったと思うと、じんわりと消える。
見慣れた生活のなかでも、動きのあるものがそこに加わると生き生きした気持ちになってくる。
風のつめたさに季節の変化を感じたり、身近なひとの短い返事の声を聞いて、
暗そうにしていた気持ちが元気になっていると思えたり。


秋のシャツの着こなしにアレンジを加えるタートルネック。
COTTON FLANNEL CHECK SHIRT
Q82 ROLL NECK


深緑色のニットとデニムの着こなしにスカーフで彩りを添える。
MERINO SILK CREW NECK JUMPER
ARCHIVE PRINT SILK SCARF
DENIM

長綿を使用して柔らかな履き心地のプレーンなソックスは耐久性にも優れ日々活躍する。
MEN’S PLAIN COTTON SOCK

秋の工夫

秋は、着られる洋服の数が増える。単品で味わうだけでなく組み合わせを楽しめる季節だ。赤ワインをひとくち。それから、旬の料理を口に運ぶ。すこしずつ味わいが良い方向に逸れて展開していく。そんなペアリングが洋服選びにもあるとしたら?未知の世界が一気に開けるなんてダイナミックな反応ではないかもしれない。しかしだからこそ、あたりまえの日々のなかで試せて、シンプルなもの同士が響き合う。定番的な着こなしにこそ、さりげない相乗効果があるはずだ。

襟もとでさりげないアレンジ

マホさんが着る深緑のニットは、森を意味する「フォレスト」という色。メリノウールは保温性がありながらも、通気性が高くて湿気を逃がす。つまり、あたたかいけれどさらっと着られる。調温が得意なアイテムの利点は、1年のなかで活躍する期間が長いことだ。天然素材特有の通気性や抗菌性は防臭効果も期待できるからアウトドアウェアのジャンルでも重宝されている。そんな素材に25%のシルクがブレンドされて、上品な艶となめらかな肌ざわりに仕上がった。

シルクのスカーフは、帯状にたたんで結び目を後ろ側にしてきゅっ。丸首のニットをモックネックにするような気分で付け加えてみよう。明るいイエローグリーンの彩りが加わるだけで、コーディネートが明るく映えてモダンになる。広げるとわかる柄の「SUN & CLOUD」は、サンスペルのアーカイブロゴ。ブランド創業の鍵となったシーアイランドコットンが育つカリブ海の風景を、今季のキーカラーで構成した。その大地には、太陽の光と突然の豪雨が最高のバランスで訪れるのだとか。

心地よい「ケ」の装い

キミアキさんは微起毛でソフトな感触のフランネルチェックシャツを羽織りに選んだ。杢グレーとブルーが交差した秋らしい温もりある生地で、基調となる色がグレーなのも実は重要なポイントだったりする。定番のホワイト×ブルーには清潔感があるけれど、やや青臭さが出てしまう懸念も……。しかし、グレーなら全体のトーンを下げて、どことなく垢抜けた雰囲気に仕上げてくれるのだ。だから、大人の装いにしっくりと馴染む。

特に注目したいのは、インナーの選択、下ごしらえの部分だ。しなやかでありながら耐久性のあるサンスペルのシグネチャー素材「Q82」のタートルネックは、シャツの内側でごわつかず縁の下の力持ち。しかし、ネックの自然な立ち上がりが、シャツの襟もとに調和してニュアンスを漂わせる。折り返しても、立ち襟のままでも丁度いい。密着しすぎず、首から離れすぎない。ほどよいフィット感なのだ。選んだアイテムも、全身のトーンもスタンダード。しかし、タートルネックを選ぶと、意識させないくらいにほのかに優しげな香りが加わる。「ハレ」だけではなく「ケ」の装いでも、さりげないアレンジを楽しんでみたい。

Photography|Hiroko Matsubara
Styling | Yuriko E
Hair & Make-up | Rumi Hirose
Cast | Maho, Kimiaki
Text | Yoshikatsu Yamato (kontakt)

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