ポール・ウェラーがサンスペルとコラボレーション

2021年2月24日

ポール・ウェラーは伝説のミュージシャンであると同時に、英国のスタイルアイコンとしても知られています。サンスペルファンであるポールをサンスペル工場へ招待したことから、今回のコラボレーションが決まりました。このコラボレーションのために、ポールは手描きスケッチでデザインをおこし、素材選びから1930年代のロゴ「SUN AND CLOUD」の再解釈にいたるまでを手がけました。

その結果が今回のポール・ウェラーとサンスペルとのコレクションです。このとてもパーソナルなカプセルコレクションは、ポール・ウェラーの考える現代的なワードローブのベースとなる商品で構成されています。このポッドキャストでは、ポールがこのコレクションのコンセプト、そしてなぜ「毎日がドレスアップする日」なのかをジャーナリスト、テリー・スティアストニーに語っています。

文/インタビュー:テリー・スティアストニー

ポール・ウェラーが自身のデザインしたコレクションを身につけ、モデルとなり、ロンドン・メリルボーンのチルターンストリートにあるサンスペルのお店のウィンドウで撮影が行なわれています。彼の周りではカメラのシャッターが切られ、スタイリストがヘンリーネックTシャツを整えています。ポールは全ての進行にとても関心を示し、カメラのファインダーを覗き込み、色やライティング、写真がどのように見えるかなどの質問をしています。

ポール・ウェラーはイギリスのモッズパンクバンド「The Jam」、そして「The Style Council」のフロントマンを経て、その後はソロミュージシャンとして40年以上世界に名声を轟かせています。彼の人生に於いて、音楽とスタイルは、密接に結び付いているようです。

「思い出せる限り今までの人生の中で、僕にとってファッションと音楽はいつでも一番重要だった」。彼が子供時代を送った60年代ファッションに目覚めてから、「僕の中ではルックスと音楽はいつも繋がっていて、スタイルと音楽はいつも結び付いていたんだ」とポールは話します。

「僕はビートルズやスモール・フェイセス、その他のバンドも、彼らの音楽と同じくらい彼らのスタイルが好きだった。7、8歳の子供には難しかったけど、いつもビートルズみたいなスタイルをしたいと憧れていたんだ」とポールは言います。しかし、若くてトレンディな母親の協力とその後のアルバイトのおかげで、すぐに自分の服を買えるだけのお金を貯められるようになったそうです。

定番の白Tシャツのファンになったことがきっかけで、ポールはサンスペルのことを知ります。以来このTシャツを長年着続けているそうです。なので、ロングイートンにあるサンスペルの工場を訪問した時、そこで商品がどう作られているのかにとても興味があったそうです。「工場は素晴らしかったよ」と彼は言います。「とても家庭的な雰囲気を感じたよ。サンスペルの商品からも同じ空気を感じるね。とても手をかけて作られているし、愛が込められているよね」とポールは続けます。

今回のデザインを通して何を実現したかったのか?―「他では手に入らない物を作ってもらおうと考えてデザインしたんだ」と彼は笑います。彼は“簡単なスケッチ”を描いて、(彼曰く、サンスペルのデザイナーに彼のアイディアを伝えるにはスケッチで充分だったそうです。)コレクションはTシャツやポロシャツからコート、細身のトラウザーズなど「とてもウェアラブルな物」と説明してくれました。さらにポールはカラーパレットにとても魅せられたそうです。「何故か分からないんだけど、毎年ちょっとした色への拘りが生まれるんだ。今はボトルグリーンが好きなんだ」。

シャープでとても折り目正しいモッズスタイルを体現するポールは、最近のドレスダウントレンドをどう思っているのでしょう?実際、撮影後の彼は綺麗に磨き上げられたローファーを履いた、とても手入れの行き届いたスタイルでした。ポールにとっては「毎日がドレスアップする日」で、それはロックダウン中でも変わらないそうです。でもそれは「誰かのためにドレスアップするのではなく、自分の満足のためにしている」、それは自身の生い立ちに関連していると言います。「僕は音楽とカルチャー、ファッションが一つだった時代に育っていて、自分の好きな音楽、カルチャー、ファッションで自分を表現してきたし、それが自分という人間を形作ってきたんだ」。

ポールはパリやミラノなどのファッション都市や世界中で起こっているカジュアルドレス化に対して「スウェットパンツやジーンズにスニーカーを合わせるような人達は、僕にとってはちょっと理解するのが難しい」と話す。「僕が10代の頃は木曜の夜に近所のディスコに行くために、みんなドレスアップしていたよ。昔の労働者階級文化の一部だけれど、金曜と土曜の夜に出かける時は、お金がなくても必ず格好良く見えるように気を付けていたんだ。もちろん今の若者も同じ事をしていると思うけど、以前に比べるとだいぶカジュアルなスタイルになったね」。彼の育った文化の中では「みんな着る物に気を遣っていたし、細かい所までこだわる事がとても大切で重要だったんだ」。

ポールは自分がデザインを手伝った物でもそれ以外の物でも、自身の服にはクオリティを重要視しているそうです。「僕はクオリティの高い物が好きなんだ。家具でも服でもなんでも、品質をものすごく気にするよ。靴でもジャケットでもコートでもしっかり手入れすれば、一生使えるからね」と彼は言います。細かなディテールやクオリティへのこだわりは、このコレクションの制作にも反映されています。例えば、ポロシャツの生地の厚さには、彼が納得するまで修正が重ねられました。
 ポールはお客様にこのコレクションから何を感じて欲しいのか?―「このコレクションはとても丁寧に美しく仕上げられていて、すごくみんなに似合うと思う。質が良くて、長く愛用できるよ」。

PAUL WELLER FOR SUNSPEL
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