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父から息子へ...

2015年6月13日

時どき、サンスペルの製品に関するエピソードをお客さまから教えていただくことがあります。上海から届いたダニエル・スン氏のメッセージは、父親から譲り受け15年以上も大切に保管しているというQ14セルラー素材のTシャツにまつわるものでした。

スン氏はその大事にしているTシャツを私たちに送ってくれると同時に、それがどうして彼のお気に入りになったかという思いがけない話を教えてくれました。
Tシャツとの出会いはこうでした:
「もうかれこれ14~15年、このTシャツを持っています。その時のことはよく覚えていて、ある朝父の寝室に『寒い』と文句を言いに行ったのです。父は微笑みながら『すごく暖かいものがある』と言って、ベッドの下にある衣装用の引き出しを開け、このTシャツを取り出しました。それがどんな感じだったかよく覚えています。というのも、他のTシャツはネット状のものかプレーンな生地なのに、これだけは違ったからです」
「父は『これを着てみなさい。すごく着心地がよく暖かいから!』と言いました。私はそれがどんな風に作られているのか見もしませんでした。そう言ったことに興味のない年齢だったのです。私が着たのを見て、父は『すぐ分かるよ。すごく暖かいから!』と繰り返しました。父は自分の好きなものに対して、いつもくどいくらいにこだわる人でした」

その後スン氏がサンスペルでお買い物を始めます:
「最近、父にあのTシャツをどこで買ったのか尋ねました。するとすぐに『クリスマスの後にスウィンドンで買った』と答えました。私は父がそんなにはっきり覚えていることにびっくりしました。なぜって、もう20年も昔の話で父が私にこのTシャツを譲ってくれた時、すでに父が買ってから3~4年は経っていたのですから。父は『すぐにクォリティーの良さがわかって購入した』と言っていました」

それ以来スン氏はサンスペルの顧客です:
「当時、サンスペルを特に意識していたわけではないのですが、このTシャツを寒い時期になると必ず着ていました。何年も後になって、ようやく衣服のクォリティーについて考えるようになった時、父から譲り受けたものの素晴らしさがわかったのです」
「父は30代によりよい生活を求めて香港から英国に渡った人です。飲食業界で仕事を見つけて、フィッシュ・アンド・チップスを売っていました。その後ようやく自分の事業を始めて、それを大きくしていったのです」
「現在、私の家族は故郷の香港に戻りました。けれど私は今でも心のなかで頑固なほど英国人ですよ!これ以上生地を傷めてしまうのが心配で、このTシャツを着ることはもうほとんどありませんが、旅行に出かける時には必ず持って行きます」
スン氏を始めとするこういったエピソードは、サンスペルが目指しているもの、よいものは世代を超えて受け継がれていく、という信念をうまく言い表しています。