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THE BOXER SHORT

2018年11月02日

ジョシュ・シムズがボクシングのリングから違いがわかる男のワードローブの必需品となったアンダーウェアについて語ります。

メンズアンダーウェアの世界はひどい失敗の連続です。Tバックや奇抜なプリント、過剰なブランディング…こういったものを進歩だと思い込んだ結果、アンダーウェアへの困惑、意識の後退といったものを生み出してしまいました。その中でも、ボクサーショーツはトラッドではありますが、アンダーウェアとしてエレガントにその役目を果たしています。そう、かつての一時的なブームが元になってはいるものの、ボクサーショーツはれっきとしたファッションアイテムなのです。

1920年代、ボクシングとフィットネスギアのトップブランド『エバーラスト』の創業者ヤコブ・ゴロンブが軽量でウエストにゴムの入った競技用のボクサーショーツを開発しました。 すると男たちはそれまでの分厚くウール素材が中心だったロングジョンを驚くくらいあっさり見限って、ボクサーショーツのデザインをアンダーウェアとして取り入れたのです。(ちなみにロングジョンもボクサーだったジョン・L・サリヴァンにちなんで命名されたアンダーウェアです)誰も予想もしなかった、弾けるようなボクサーショーツのブームが起きました。そして1934年にモダンなブリーフが登場、そのデリケートなホールド感が浸透すると、男たちはボクサーショーツ派とブリーフ派に別れていきます。

もちろん、1947年アメリカからボクサーショーツのアイディアを持ち込んで生産を始めたヨーロッパ初のブランドとして、サンスペルはボクサーショーツ派を支持します。当時のボクサーショーツの人気の高まりは、第二次世界大戦中のアメリカ軍の英国駐屯の影響もあるでしょう。アメリカ軍が兵士たちに支給していたのはボクサーショーツでした。

とはいえ、サンスペルがボクサーショーツの人気を安定させるまでには、12ラウンドをフルで戦うような30年以上の苦労が待っていました。1980年代、ボクサーショーツはファイロファクスのシステム手帳や分厚い肩パッドと並んで時代のシンボルとなります。さらに、ボクサーショーツは80年代を生き延びました。時に素材をジャージーに変えたり、ボタンフライになったり、バックアジャスターを付けたり、フロントに様々なバリエーションをつけながらではあるものの、その姿を消すことはありませんでした。

何故なんでしょう?心地よくパリッとしたコットン素材だから、というのがひとつの理由です。肌触りがよいことはもちろんですが、衛生的に優れているということもあります。医学的にも通気のいいボクサーショーツを推奨しています。けれどそれ以前に、ジェームズ・ボンドもバッドマンも「ボクサーショーツの方が見た目がいい」ということに賛成してくれるではないでしょうか。 ボクサーショーツはあなたを大人の男にしてくれるアンダーウェアなのです。

ジョシュ・シムズはジャーナリスト、そして『Icons of Men’s Style』の著者です。