サンスペルとメッシュ生地

サンスペルとメッシュ生地の関係は1860年まで遡ります。創業者トーマス・ヒルはラグジュアリーなアンダーウェアの製造と生地デザインの先駆者でした。彼はレース製造の専門技術を生かし、世界最高品質の天然素材を使用した格別に着心地の良い生地を開発しました。

その多くは、もともとレース作りに使われていた特殊な編み機を再利用して編み上げたメッシュのような生地でした。例えば、1914年にはセルラーコットンの下着を発表しました。ゆったりとしたエクストラロングステープル (超長繊維)コットンで作られたこの生地は、肌から湿気を逃がし滑らかで涼しい下着になるようデザインされていました。60年が経ち、人気テレビドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』（原題：The Sopranos）の登場人物クリストファーが愛用するなど、今日でもサンスペルのコレクションに欠かすことのできないアイテムとなっています。

現在、最も人気のあるメッシュは、リヴィエラ・ポロシャツに使用されているQ75スーピマコットンを使用したメッシュ生地です。もともとは1950年代にトーマス・ヒルの曾孫であるピーターによって開発されました。彼は、当時のポロシャツによく使われていたピケ素材は、暑苦しく重いことに気づき、ワープニットレース編み機を再開発して、より涼しく快適に着られる生地を作り出したのです。

2006年、受賞歴のあるデザイナー、リンディ・ヘミングが、ジェームズ・ボンド役でデビューしたダニエル・クレイグのためにリヴィエラポロシャツを仕立てました。以来、このポロシャツはモダンクラシックの定番となっています。今日でも、サンスペルの複数の製品に、このQ75が使用されています。

サンスペルの保管するアーカイブには、様々なメッシュ素材や図面、生地見本の例がたくさんあります。最近、私たちはこれらを使って新しい生地を開発し、最高品質のコットンを使って各商品が可能な限り最高の品質であることを保証しています。例えば、MR PORTER（ミスターポーター）との最新のコラボレーションは、サンスペルのメッシュ素材の伝統からインスピレーションを得て作られたものです。今シーズン発表したテクスチャードニットポロシャツもその一例です。

メッシュは今のトレンドかもしれませんが、サンスペルは100年以上のメッシュ生地を作り続けてきた専門家なのです。