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ダッフルコートの歴史

2016年12月6日

海軍士官、ビートニク、そしてマーマレードサンドウィッチに目がないペルー出身のくまのパディントンが着ていたダッフルコート、この英国ファッションのアイコンとも言えるアイテムはどこから来たのでしょう?

ダッフルコートとは?

...いかにも英国らしいと誰もが思うこの定番コートの名前、実はベルギーにある「デュフェル」という街が起源なのです。デュフェルはアウター用のきめが粗く重い毛織物の産地でした。

ダッフルコートと軍隊

素材はベルギー産ですが、ダッフルコートは100%英国生まれです。英国海軍はこのウール生地が過酷な北海や大西洋の風に立ち向かうのに理想的だと思ったのです。

制服の上から羽織ることのできる余裕あるシルエットと海軍帽の上にかぶっても十分な大きなフード、手袋をしたままでも掛け外しがしやすいトグル、そのデザインは海軍士官たちのニーズに合うよう様々な工夫が凝らされています。

その後、海軍での人気の高まりを受けダッフルコートは二度の世界大戦を通して英国軍全体に広まりました。その万能性に惹かれて、階級に関わりなく空軍一等兵や陸軍兵も着用するようになります。

グローバーオール

1950年代ダッフルコートが一般市民の人気を獲得したのはグローバーオール社の功績によるものです。第二次世界大戦後、「手袋と作業着(Gloves and Overalls、社名の由来です)」の卸業をしていたハロルド・モリスとその妻フレダは防衛省から大量のダッフルコートの余剰ストックを譲り受け、それを販売し労働者のために復活させたのです。

そして需要が高まるとグローバーオール社は軍服だったダッフルコートに改良を加えます。軽く耐久性に優れ、撥水性を備えたローデン生地を使うことでカジュアルウェアの定番に進化させたのです。そして新しいダッフルコートはヨーロッパ、カナダ、アメリカへと輸出されていきます。

ダッフルコートとポップカルチャー

安価なサープラスとしてのダッフルコートは50年代と60年代に知識人やアーティスト、学生のお気に入りとなり、間もなくアメリカでビートニク、英国ではモッズたちがこぞって着始めます。

これに続いて1976年の映画『地球に落ちて来た男』のダッフルコートをまとったデヴィッド・ボウイから、1995年のオアシスのシングル『ロール ウィズ イット』のジャケットまで、俳優やミュージシャン、作家が ダッフルコートを20世紀のポップカルチャーに浸透させます。そしてペルー出身のクマ...パディントンを忘れてはいけません。マイケル・ボンドの児童文学『くまのパディントン』はそのトレードマークとも言えるブルーのダッフルコートで1958年に初登場しました

サンスペル×グローバーオール

今回、アーカイブから選んだ1988年のモデルをもとに、現代的なシルエットにデザインをアップデートしてコラボレーションが実現しました。短めの丈とすっきりしたヨーク部分はモダンでミニマリスト。伝統的な960gのダブルフェースウールはサンスペルの定番Tシャツを思わせるストライプが裏側に施されています。サンスペルのクレストをレーザーで刻印した水牛のホーントグルにも注目です。